きれいな場所は…落書きしにくい 心理傾向裏付け

きれいな場所は…落書きしにくい 心理傾向裏付け

 落書きを一度きれいに消した場所は、不心得者の標的になりにくい。宮城学院女子大(仙台市)で心理学を学ぶ学生が仙台市内で実施した社会実験で、こんな傾向が浮かび上がった。「きれいな場所だとやりにくい」という落書きする側の心理の仮説に迫る検証で、学生らは「仮説がある程度裏付けられた」と分析している。

 学生は学芸学部の20人。2年生だった昨年10月から今年2月にかけて、商店街の建物の落書きを消した後、再び落書きされるかどうか調べた。

 調査は当初、青葉区一番町の飲食店ビルの壁など自分たちで消した5カ所を対象としたが、11月以降にほかの団体が消去活動をした10カ所と、落書きがほぼ放置された18カ所を追加した。

 2月まで週3回のペースで観察した結果、きれいに消した場所は15カ所のうち2カ所で計3回しか落書きされなかった。落書きされた回数を観察地点の数で割ってはじき出した落書きの「出現率」は20.0%にとどまった。

 一方、落書きをそのままにした18カ所では8カ所で計14回、新たな落書きが確認された。中には1カ月間に3回も書かれた場所もあった。出現率は77.8%に上り、きれいにした場所の4倍近くに達した。

 調査した学生の一人、丹野江梨子さん(21)は「きれいな場所には落書きしにくいという一般的な心理をデータで確認できた」と結果を評価する。

 指導した大橋智樹教授(産業・経営心理学)は「落書きと消去活動はいたちごっこと言われるが、壁の色に合わせるなどしっかり消せば効果があることを示せた。学生たちも実際にデータを集めてみることの大切さを理解したと思う」と話している。

2009年05月15日金曜日 河北新報

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