関係機関と学校との“橋渡し役” スクールソーシャルワーカー 派遣人数激減

関係機関と学校との“橋渡し役” スクールソーシャルワーカー 派遣人数激減
2009.6.30 02:50
 不登校などの問題を抱える生徒の心のケアだけでなく、家庭環境などの改善にも取り組むスクールソーシャルワーカー(SSW)が、群馬県内に導入されて2年目を迎えた。その効果を高く評価する声がある一方で、財政上の理由から、今年度は派遣人数を縮小したのが実情。県義務教育課では「まだ手探りの状態だが、ニーズも出てきており、何とか維持していきたい」と話している。(楠城泰介)
 SSWは、生徒の心のケアを行うスクールカウンセラー(SC)と異なり、生徒の家庭環境などを改善することで抜本的な問題解決を図ることを目的としている。社会福祉士など福祉関係の経験を持つ人が多く、養育放棄、虐待など、それぞれの問題に応じて、児童相談所や警察などの関係機関と学校との“パイプ役”としても活動する。
 前橋市立東中学校で昨年4月からSSWとして勤務する川和玲子さん(50)は「不登校の生徒の親も問題を抱えているケースが多い。まず親を安定させること」と力を込める。家庭訪問を繰り返し、生徒のケアに努めると同時に保護者の悩みを聞くが、「離婚など大変な状況の保護者もいる。親と子で悪い環境に進む悪循環を断ち切ることが大事」。昨年だけで、15人の生徒を不登校から救ったという。
 県義務教育課によると、20年度の県内中学校の不登校生徒数は、19年度の1784人から約120人減となり、5年ぶりの減少に転じた。
 だが、今年度からSSWの学校派遣が国の委託事業から補助事業に変わり、SSWの人数が激減。委託の場合は国が人件費などを全額負担したが、補助事業になったため、費用の3分の2を自治体が負担しなければならず財政的に維持することが難しくなったためだ。
 昨年度は県が各中学校へ派遣するSSW5人に加え、各市町村で計11人のSSWを派遣していたが、今年度は県が派遣する5人だけになった。
 県内のある公立中学の校長は「親の安定が子供の登校を促す。スクールカウンセラーは相談待ちの面が強かったが、SSWは積極的に家庭と関係を持つので、解決に結びつくことが多い」とその必要性を訴える。
 県義務教育課は「必要性を理解してもらうためにも、効果を証明していきたい」と話している。

産経新聞

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