福祉職人気「志と覚悟を」 激務、低い定着率/「ありがとう」が支え

福祉職人気「志と覚悟を」
激務、低い定着率/「ありがとう」が支え

入所者と笑顔で話す介護福祉士(秋田市飯島の三楽園で)
 雇用環境が冷え込む中、慢性的に人手不足に苦しむ福祉の世界へ飛び込む求職者が増えている。雇用の受け皿としての期待が高まっている福祉分野だが、元来、定着率が低い現状に悩まされてきた。継続して働いてくれる人材が欲しい現場からは「大変な仕事と覚悟した上で、福祉職を目指してほしい」と、声が上がっている。

(飯田真優子)

 秋田労働局によると、7月末現在の有効求人倍率は、全体の0・25に対して介護分野は0・43、さらに看護職も含めると0・84で、他分野に比べると高水準にある。

 秋田市内で9日に開かれた、福祉職への希望者対象の「福祉の就職総合フェア」。新規の事業所開業も見込まれ、参加事業所も求人も昨年より増えており、求人の需要は依然として高いなか、昨年を82人上回る304人が訪れ、学生以外も80人が参加した。

 会場を訪れた秋田市の男性(34)は2年前、会社の事業縮小に伴い、高卒後から15年間働いた長距離運転手の仕事を失った。求職中、勧められてヘルパー2級の資格を取得。人の役に立てる福祉の仕事に魅力も感じているが、正職員の働き口は少なく、すでに複数の事業所を渡り歩いた。

 男性はこの日、家から遠くても正職員として働ける事業所を探していた。「経験を重ねて社会福祉士の資格を取りたいが、その前に契約が切れる。安定して働きたい」とこぼした。

 離職率は、全体では3年間で5割なのに対し、介護職は1年で6割と言われ、人材の定着が大きな課題だ。ハローワーク秋田によると、求職中のヘルパー2級資格保持者が280人いる中、福祉分野への就職を希望する人は144人と約半数しかいない。

 秋田市飯島の介護老人保健施設「三楽園」でも最近、他分野からの転職希望者が増えた。しかし、面談では意欲も適性もあるように見えて採用しても、初日に姿を消してしまう人もいた。

 短大などで福祉分野を専攻していない希望者の場合、実際に働き続けられるかを面接だけで判断するのは難しく、見学や実習で現場を知る必要性を感じているという。

 横山治夫施設長は「高賃金とは言えないなか、介護現場で働く人々は『ありがとう』と感謝されたり、入所者らとのコミュニケーションに喜びを感じたりすることに支えられて働いている。『仕事がないから』と、志や覚悟なしに飛び込めるような仕事ではない」と転職者に覚悟を求めた。

(2009年9月11日 読売新聞)

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