精神疾患患者への訪問支援、導入合意 厚労省検討チーム

精神疾患患者への訪問支援、導入合意 厚労省検討チーム

 地域精神保健医療の体制を話し合う厚生労働省の検討チームは17日、医療や福祉の専門家チームが精神疾患患者の自宅を訪ね、治療や生活の相談に乗る訪問支援を本格導入することで合意した。重症患者の治療が長期入院に偏っている現状を改め、地域で患者を支える体制に大きく転換することになる。

 検討チームは、人材を育てて医師や看護師らによる多職種チームが担う▽医療機関はベッド削減に取り組む▽住まいの整備を併せて行う、などの方向で一致した。厚労省は来年度予算の概算要求に関連の費用を盛り込む方針。

 在宅の精神疾患患者を専門家らが支える活動は欧米で「アウトリーチ」と呼ばれ、日本にもすでに12チームある。そのうちの一つは検討チーム委員の精神科医、高木俊介さんが6年前に全国に先駆け京都市を拠点にして始めた。医師や看護師、精神保健福祉士ら15人が24時間態勢で患者約120人を回る。

 統合失調症で20年以上入退院を繰り返した男性(47)は3年前に一人暮らしを始め、高木さんらの支援を受ける。週4回、看護師らが訪ね、生活上の悩みや服薬の相談に乗る。スタッフは携帯電話の番号を伝え、緊急時に出動することも。男性は「家で勉強できてうれしい」と話す。

 高木さんによると、チームの経費は年間約1億円。公的医療保険の診療報酬でまかなえる。「入院治療だと3倍はかかる」と指摘する。

 日本では精神科に33万人が入院し、入院患者の4分の1を占める。平均在院日数は313日、約4割の人が5年以上入院している。欧米では入院治療は人権上の問題もあるとして訪問支援を積極的に導入している。

 厚労省は6年前に「入院から地域への移行」を宣言したが、実現は遅れている。検討チームの会合に招かれた元患者は入退院を繰り返した体験について、「自尊心を100%失った」と訴えた。鉄格子がはめられた部屋に閉じこめられ、売店にも行けなかったという。

asahi.com

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