知的、精神障害者民間就労への一歩

知的、精神障害者民間就労への一歩

日田市立の養護老人ホーム延寿寮で4月から働いている辛嶋聡美さん。「この仕事が好き」と話す=日田市中ノ島町
 日田市は本年度、知的障害者1人を初めて雇用した。働きたくても働き口の少ない知的、精神障害者の就労を促進するのが目的で、県内の自治体では県、大分、別府両市に続く取り組み。日田市社会福祉課は「十分に働けるという実績を市が率先してつくることで、民間企業への就職につなげたい」としている。

 同市は4月から、臨時職員として辛嶋聡美さん(36)を採用し、養護老人ホーム延寿寮に配属した。
 現場では当初、どう接していいのか戸惑ったという。「どんな業務が向いているのか、どう指示したらいいのかなど、障害に対する知識がないだけに試行錯誤だった」と江藤明正寮長。
 そこで専門機関に週1回、ジョブコーチ(職場適応援助者)の派遣を要請。辛嶋さんが以前、利用していた市内の福祉施設のスタッフからもアドバイスをもらった。
 辛嶋さんは現在、入所者の支援員補助として、部屋や廊下、洗面所の掃除、園庭作業などを担当。汗だくになって鏡をピカピカにふき上げる。「96歳の祖母がいて、高齢者のお手伝いができるこの仕事が好き。頑張って次のステップにしたい」と張り切っている。
 昨年度から精神障害者1人を臨時で採用した別府市は、職場によりなじんでもらうため、4月から支援員として精神保健福祉士を付き添わせた。知的、精神障害者計4人を嘱託職員として昨年度雇用した大分市は当初から、社会福祉士、精神保健福祉士の支援員2人を配置。この春には2人が一般就労を果たしている。
 精神障害者の就労支援に詳しい三城大介・別府大学文学部准教授は「障害者の就労を進めるためには周囲が障害の特性を学び、本人を知る必要がある。調整役となる専門家の存在は欠かせない」と指摘している。

 <ポイント>大分県の障害者雇用率
 2009年6月1日現在、2・15%で、全国3位の高水準。だが障害別にみると、身体障害者の1・76%に比べ、知的障害者は0・35%、精神障害者は0・04%と進んでいないのが現状。

大分合同新聞社

関連記事

Comment

Leave a Reply


管理者にだけ表示を許可する