心療内科(5)心身症を治療 精神科と別

心療内科(5)心身症を治療 精神科と別
 

1976年、岩手医大卒。日本心身医学会評議員・指導医・専門医、日本心療内科学会評議員・専門医
Q&A

盛岡友愛病院副院長・心療内科部長 千葉太郎さん


 心療内科について、盛岡友愛病院副院長で日本心療内科学会専門医の千葉太郎さんに聞きました。

 ――心療内科とはどんな診療科ですか。

 体の病気が発症したり症状が悪くなったりする時、ストレスが関係することがあります。こうした病気の状態を「心身症」と呼び、普通の治療法だけでは良くなりにくいことが多いのです。このような患者さんを診断し、治療するのが心療内科です。

 ――具体的にはどんな病気が対象ですか。

 たとえば薬を使っても良くならない高血圧や、再発を繰り返す胃潰瘍、ストレスと関連して起きる気管支ぜんそくなど。ほかにも慢性の痛み、糖尿病、摂食障害など、あらゆる病気が対象となり得ます。

 ぜんそくの患者さんに対し、心と体の両面から診る「心身医学」的な治療をした方が、通常の内科の治療より改善度が高い――という研究結果もあります。

 ――精神科とどう違うのですか。

 よく誤解されるのですが、精神科は、うつ病や統合失調症、不安障害といった心の病気(精神疾患)を診る診療科です。心療内科は、内科の病気に対して心理療法も行う科として誕生しており、そもそもは内科の病気を診る科なのです。

 ――でも、うつ病も診ている心療内科クリニックはたくさんありますね。

 実は、「心療内科」という看板を掲げている医療機関の多くは、精神科医が診療しています。精神科の受診に抵抗のある人が多いからです。一方で、うつ病の診療をしている心療内科医もおり、違いが分かりにくくなっています。

 ――すると、どうすれば“本物の”心療内科医の診察を受けられるのですか。

 そもそも数が少なく、日本心療内科学会が認定した専門医は27都道府県にわずか107人。学会のホームページに専門医の一覧が載っていますので、参考にしてください。

 現在、心療内科医を養成する講座のある大学は全国に5大学しかなく、もっとこうした大学が増えないと医師も増えません。

 また、治療に手間と時間がかかる割に、心身症患者への「心身医学療法」の診療報酬が非常に低く、このため心療内科は病院の不採算部門になっています。診療報酬を上げ、心療内科医が活躍できるよう環境を整えることも必要です。(山口博弥)

(2010年7月20日 読売新聞)

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